玉猫戦隊オーブファイブ ネズ神博士登場(6)
2004.12.10-01:18 #572
ネズ神博士登場(6)
「ネズボルト、起きろ! あっちの男を踏み潰せ!」
「ブギャーッ!」
ネズボルトは、のっそりと起き上がり、尾藤と肇間の方に向かってきた。
一旦起き上がると、体の大きさの割には機敏な動作だ。
「あぶない!」
レッド・ミキは咄嗟にオーブロボを方向転換した。しかし。
「何よ、コレ。操作が重たい!」
「伝送システムは異常ないわ。でも、確かに反応が鈍いのよね」
ブルー・ユウカがいうと、他の3人もうなずく。
「エネルギー系統は順調なはずなのに、なんか、じれってぇだ」
:-
「いや、大丈夫だ。もう少し引きつけて、砕く!」
肇間は、不敵な笑みをうかべつつ、オーブロボに伝えた。
「尾藤さん!」
「えぇ。同時に撃ちましょう」
迫り来るネズボルト。
「......行きますよ! ってぇいっ!」
ボゥォム!
肇間の合図で、派手な音のバズーカ弾と無音の超伝導レーザーが絡み合ってネズボルトに当たる。
「ブギャァァァァ!」
今度は、ネズボルトは倒れるのみならず、崩れて瓦礫に戻っていく。その瓦礫の片々は、まだ名残で、ピクピクと振動している。
降り散る瓦礫の狭間で、淑大僧正が拳を握り立っている。
「うぉぉぉぉっっっっ!」
仁王立ちし、体中を震わせて、絶叫。
「尾藤! 正々堂々とサシで勝負せよ!」
「散々、卑劣な真似をしておいて......吉行! 今さら何を言っている!」
尾藤ならずとも、飽きれている。
「うるさい、負け惜しみを!」
「相変わらず、訳の解らないやつだな。俺は、貴様と違って、ズレたプライドなど持ってないだけだ! 吉行......いや、淑大僧正! 空元気もたいがいにしろ!」
「こしゃくな!」
図星だ。精一杯対峙しているが、杖を消された大僧正は、能力が半減している。
それでも、顔を硬直させて、体を痙攣のように震わせ、威嚇している。
「うぉぉぉぉっっっっ!」
再び絶叫した淑大僧正の体が、ぼぅっと鈍色(にびいろ)に発光すると、発光と同じ色のオーラが湧いた。まさに「湧く」という雰囲気の邪悪なオーラだ。
さらに、淑大僧正の姿が、しだいに揺らいでいく。
「なんなの!?」
「なんか、気持ち悪いわ」
「大僧正、溶けていきますね」
「踏み潰してやっか?」
「だめよ。肇間さん・尾藤さんのあんな近くじゃ......」
オーブボロの中で5人は為す術なく黙っている。
「......今のこのロボの反応度だと、細かい制御に自信が持てないでしょ......」
ミキは、くやしそうに唇を噛みしめた。
淑大僧正の体は、いよいよ陽炎のように半透明になってきた。
両手で印を結び、なにやらマンダラのような物を唱えている。
「融っ!」
その一声と同時に大僧正の体が、半透明のままひと回り膨れ上がり、傍らの瓦礫の山に飛び込んだ。
瓦礫がモコモコと動く。
「融合か!?」
尾藤がいう。
そう。淑大僧正は、最後の力で、ネズボルトとの能力融合を謀ったのだ。
「ブギャァァ!」
またしても、ネズボルトが再生され、立ち上がった。しかし、今度は、腹の辺りに、淑大僧正の顔がある。
その「顔」が口を目一杯裂かせて、喋る。
「尾藤! せめて貴様の骸でも、邪魔皇帝陛下の元へ捧げるのだ!」
「意味不明だなぁ。あいつの頭はネズミ以下ですね」
肇間はあきれ顔で、バズーカを構えた。
ボゥォム!
弾を受けて、大僧正の「顔」は大きくひしゃげた。そのままで、笑っている。
「気色悪いやつだな」
その時。
『アト 2分デ ソチラニ 到着シマス』
タンタンからだ。間も無くオーブクローラーが来る。
微かな轟音が聞えてきた。
玉猫戦隊オーブファイブ 第13話「出た!最強最悪の新幹部登場だぞ!」より
ねこぱんち!
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